子どもと一緒に、私も育っていく。

社会福祉法人さくら福祉会 さくら保育園 保育士

荒井 菜々子

子どもたち一人ひとりの“やりたい”を支えたい。この仕事の愛おしさを感じる瞬間

キャリア

荒井 菜々子

東洋英和女学院大学 人間科学部 保育子ども学科 卒業 ↓ 2020年、新卒で社会福祉法人さくら福祉会 さくら保育園に入職

1
#なにゆえ私が福祉職が好きなのか

「先生も泥んこだね!」園庭に響く子どもたちの笑い声のなか、一緒に泥遊びを楽しむ荒井先生の姿がありました。

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保育士になり、5年目を迎える荒井 菜々子さん。子どもと同じ目線で関わり、その成長を間近で見守ってきました。卒園式の日にもらったアルバムや、数年後に届いた手紙など、一つひとつの思い出が保育士としてのやりがいを支えていると言います。そんな荒井さんは、なにゆえ保育士の仕事を選んだのでしょうか。

2
迷いを越えて。「やっぱり保育士になりたい」と思えた理由

幼い頃から、年下の子のお世話をしたり、一緒に遊んだりすることが好きでした。特に覚えているのは、小学生のときに住んでいたマンションで仲良くしていた、5歳年下の子のこと。放課後に遊んだり、一緒にピアノ教室にも通っていました。学年が上がるにつれて部活動などで交流は少なくなっていきましたが、高校生のときに久しぶりに彼女に会ったら、私のことを覚えていてくれたんです。ちょうど進路に迷っていたタイミングだったのですが、小学生になった彼女に「お姉さん!」と呼ばれた瞬間、あの頃の楽しさを思い出しました。「やっぱり私は子どもと関わることが好きなんだ」と気づき、子どものことを学べる大学に進む決意が固まりました。

大学時代は、保育の基礎を学びながら実習にも行く中で、正直、保育士の道に迷ったこともあります。第一線で活躍する先生方は、子どもたち一人ひとりに目を配り、予想外の出来事にも冷静に対応されていたんですね。その姿を見て、「社会に出たら自分もこんなふうになれるのだろうか」と不安になりました。ですがそれ以上に、子どもたちの素直さや純粋さ、そして「荒井先生」と呼んでくれる嬉しさが迷う気持ちを上回り、「やっぱり私は保育士になりたい」と思うようになりました。

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3
子どもたちの“やりたい!”を応援しながら、メリハリも大切に

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保育士5年目になった今は、5歳児クラスの担任として、クラスリーダーの先生と一緒に16名の子どもたちを見ています。日々の保育はもちろん、お製作や屋外活動などの1週間のスケジュール計画、活動の準備、電子連絡帳の記入、日報をはじめとする書類作業まで、仕事の幅は多岐にわたります。

入職して1年目は業務になかなか慣れず、目の前のことに精一杯でした。しかし、私が勤める園はチームで保育を行っているため、困ったときには先輩保育士に相談しながら、とにかく子どもたちととことん関わって、自分なりの対応の仕方を見つけていきました。

大切にしていることは、まず一人ひとりの個性を尊重すること。外遊びひとつとっても、泥遊びをしたい子もいれば、じっくり虫を探したい子もいます。その「やりたい」という気持ちを大切にしながら、子どもに合わせた保育を心がけています。
一方で、メリハリを持たせることも意識しています。子どもたちにとって保育園は、初めて社会を学ぶ場です。集団生活、お友達・先生との人間関係、さらには挨拶や座って話を聞くといった礼儀やマナーを伝えるのも保育士の役割のひとつ。「もっと良い声掛けができたのでは」と反省することもありますが、できなかったことが少しずつできるようになる姿に立ち会えることが、保育士として一番の魅力ですね。

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4
1日1日はきちんと刻まれ、思い出になっていく

今でも鮮明に覚えている思い出が2つあります。1つは、1年目から3年間受け持っていたクラスの卒園式の日のことです。3歳から5歳までの時間をともに過ごし、思い出もたくさんあるクラスでした。卒園式の日に、「荒井先生へ」と書かれた子どもと保護者からのメッセージが詰まったアルバムをいただいたんですね。3年間の思い出や、卒園を迎えた子どもたちの姿を思い出すと、いろんな感情が込み上げてきました。家に帰ってからじっくり読んだときには、涙が止まりませんでした。

そしてもう1つは、卒園を見届けた子どもたちのうちの1人から、1年後に手紙をもらったことがあるんです。小学校の授業の一環で「手紙を書く」という課題があったそうで、私と一緒にクラス担任をしていた先生宛に手紙を書き、保護者が届けてくれました。「私のことを覚えていてくれたんだ!」という嬉しさはもちろん、1日1日ほんの数時間かもしれないけれど一緒にいた日々が、子どもたちの中でちゃんと思い出として残っているのだと実感しました。その喜びは、何にも代えがたいものです。

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5
子どもたちの笑顔が、保育士を続ける力になる

保育士をしていて一番嬉しいのは、子どもたちが「荒井先生」と名前を呼んでくれる瞬間です。シフトの都合で早く退勤するときに、「もう帰っちゃうの?」と寂しそうにしてくれる子どもたちの姿を見ると、この仕事の愛おしさを実感します。保育士は、子どもたちにとってご両親や親族以外で初めて関係性を持つ大人。毎日が新しい発見の連続で、正解がなく悩むこともありますが、子どもたちの笑顔が「また頑張ろう」と思わせてくれます。

今後やりたいことは、障がいのある子どもの保育についてもっと学ぶことです。実は、1年目から担当させてもらったクラスに、障がいのある子が在籍していました。全介助が必要で、意思疎通も難しい状況のなか、「これを伝えたいのかな」「そろそろお腹が空く時間だな」と子どもの様子を見て判断していましたが、もっと知識があれば……と歯がゆい思いをしたんです。ただ、その子をクラスの仲間として自然に受け入れ、一緒に関わり合う子どもたちの姿を見て、子どもたちにとっても大切な経験の場になっていることを改めて感じました。

保育士が子どもたちに関わることができるのは、ほんのわずかな時間かもしれません。ですが、小学校に上がるまでの成長を日々の関わりの中で感じられる。その積み重ねこそが、私にとって保育士という仕事を続けていきたいと思える原動力になっています。

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