正解がないから、面白い。

社会福祉法人あいのわ福祉会 足立区大谷田就労支援センター 就労支援員

酒井 康太朗

福祉の仕事に正解はない。成長と気づきをくれる利用者との日々

キャリア

酒井 康太朗

東洋大学 社会学部 社会福祉学科専攻 ↓ 新卒で社会福祉法人あいのわ福祉会 足立区大谷田就労支援センターに勤務 ↓ 2年目に、社会福祉士を取得 ↓ 現在、入職4年目

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#なにゆえ私が福祉職

「毎日違う刺激があるから」。2024年の「#なにゆえ私が福祉職」キャンペーンで、福祉の魅力をそう伝えてくれたのは、社会福祉法人あいのわ福祉会 足立区大谷田就労支援センターで支援員を務める酒井康太朗さんです。

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小学生の頃に感じた「福祉の現場のあたたかさ」、そして中学時代に部長として抱いた「どう接すればよいか分からない」という葛藤。その2つの原体験が、酒井さんを福祉の道へと導きました。大学での学びを経て現場に立った今もなお、正解のない支援に向き合い続ける日々。その姿勢の根底には、常に学び、成長していこうとする真摯な思いが流れています。

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「どうしてああしてしまったのか」柔道部での心残りから、福祉の道を決意

小学生の頃、ひいばあちゃんが老人ホームに入居していました。ひいばあちゃんに会いに行ったとき、介助している職員のみなさんがとても穏やかで、子ども心に「福祉の現場って、ほのぼのしていて楽しそうだなあ」と感じたんです。これが、福祉職に興味をもった最初のきっかけでした。

そしてもう1つ、福祉の道を後押しした出来事があります。中学生のとき、所属していた柔道部に特別支援学級から知的障害のある子が入部してきたんです。当時私は部長を務めていて、顧問の先生から部の運営を任されていました。彼は自分らしく柔道を楽しんでいましたが、私を含めて他の部員たちは初めてのことが多く、どう接したら良いのか戸惑うばかり。その戸惑いが徐々に大きくなり、部の雰囲気が揺らぐようになってしまいました。

柔道では「今、あなたがいるから私は柔道の練習ができるんだと、感謝の気持ちをもちなさい」と教わってきました。家族の支え、快適な練習場所、一緒に切磋琢磨する仲間、試合相手…恵まれた環境があってこそ柔道ができる。しかし、当時の私はその教えを十分に実践できず、どう関われば良いのか模索し続けながらも、雰囲気をまとめきれなかったことが、今でも心残りとなっています。

大学の進路を考えていたとき、そのことを思い出して「あのときどうすればよかったのだろう」と振り返りました。そして、知的障害のある子への対応を知らなかったことに気がつき、社会福祉学科への進学を決意。実際に学んでみると、知らないことが偏見につながることを痛感しました。障害への偏見をなくす取り組みに関わりたいと考え、そうしたテーマのゼミに入り、自分と同じ思いをする人を減らそうと4年間学び続けました。

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試行錯誤の連続。だけどそれが、成長の証にも

「障害福祉がいいな」と大学時代から考えていたこともあり、今はゼミで交流のあった足立区の大谷田就労支援センターで支援員をしています。ここは、障害のある方が名刺印刷や点字作成、広報誌の制作、データ入力、軽作業などを行う事業所です。作業全体の工程管理や納品対応、利用者のフォローアップが主な仕事です。

入職当初、なかなか慣れなかったのが先を見通して作業を進めることでした。利用者は一人ひとりに得意・不得意があり、作業スピードもそれぞれです。一方で、仕事を依頼してくださるお客様への納品期日も守らなければなりません。それらのバランスを見ながら納品期日に間に合うように作業を利用者の方に振り分け、滞りなく進めるのが難しかった。それがうまくいかず、「酒井さんが担当のときだとうまく作業ができない」と利用者の気分が下がってしまい、帰ってしまったこともありました。そんなときは先輩職員に相談し、進め方や声のかけ方を少しずつ学んでいきました。

たとえば「これやって」「あれやって」と言い方1つとっても、自分の意図と利用者の受け取り方が異なることがあります。そんなつもりがなかったとしても、利用者からは「怒っているように聞こえた」と言われることもあり、自分を省みる機会も多い。その分、成長を感じられる瞬間も多く、「次はこう言ってみよう」「こういう情報も先に共有しよう」と試行錯誤してみて、うまくいったときにやりがいを感じます。

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言葉の裏にある本音を想像する。利用者と自分は合わせ鏡のよう

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この仕事は、日々利用者から教えてもらうことのほうが多いんです。大学時代に学んだことの1つに「自己覚知」という考え方があります。自分の価値観や性格、経験から、無意識の感情の動きや特性に気づくことです。私は、焦っているときや余裕がないときに、視野が狭くなってしまう傾向があることを利用者から教えてもらいました。

あるとき、利用者に声をかけられ「ちょっと待ってて」と言ったまま忘れてしまったことがありました。落ち着いたタイミングで利用者をみると気分が下がっており、「そういえば、俺を待っていてくれたんだった!」と思い出し、フォローしました。それからは「もし忘れていたら、もう一度声をかけてください」と伝えたり、机にメモを置いたりするようにしています。忘れてしまったときは、その事実を自分の中でしっかりと受け止め、その後に生かして真摯に対応することを心がけています。

今は、「利用者が本当に言いたいことは何か」を想像してコミュニケーションをとるスキルを磨いているところです。時には「仕事したくない」「帰りたい」と言う利用者もいらっしゃって、だけど実は、その言葉の裏には体調や家庭の事情、薬の影響が隠れていることがあるんですね。それらが結果として「仕事したくない」という言葉で表現されているだけ。それを分かったうえで、利用者の本音に耳を傾けるとスッキリして作業に戻れることがあります。それこそ焦りは禁物、じっくり丁寧に向き合うようにしています。

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この仕事には、正解がない。だからこそ続けたくなる仕事

私が思う福祉の魅力は、正解も不正解もないところです。「できた」と思ってもうまくいかないこともあれば、その逆もある。だからこそ試行錯誤のしがいがあるし、学びが尽きません。私はもともと勉強が得意なタイプではなかったのですが、福祉は現実と結びついていて学ぶほど面白く、2年目に社会福祉士の資格を取得しました。すると資格手当がつき、給与面でのステップアップも実感。さらに東京都は月額2万円の居住支援特別手当もあるので、プライベートも充実しています。

今後は、資格で得た知識をもっと現場で活かしていくことが目標です。取得したはいいものの、実際はどういった状況でどういった制度が使えるのか、すべてを理解しきれているわけではありません。身につけた知識を現実で活かせれば、支援の幅も広くなり、視野を広げて地域福祉に貢献することもできるはずです。身についた知識はこれからの人生においても、自分の家族や大切な人、そして将来の自分のためにもなります。私の中には今も、柔道で教わった「今、あなたがいるから私は柔道の練習ができるんだと、感謝の気持ちをもちなさい」という言葉があります。利用者がいるからこそ、私は福祉職として働くことができている。周りの職員がいるからこそ、一緒に考え相談もできる。その感謝の気持ちを持ちながら、日々支援にあたっています。

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内定が出たのが介護だったから(なんだけど…)

社会福祉法人愛隣会 特別養護老人ホーム駒場苑 介護職員

川添 桃子

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